近年どんな業界であろうとブラック企業と認定されれば、社会全体から非難を浴びることになり、過労問題や残業代未払い問題などが発生すれば記者会見が開かれるなど、世の中は確実にホワイト化の流れに乗っています。
そんな中、かつては長時間拘束・重労働だが高給のイメージがあった運送業界ですが、最近では世の中の流れに沿ってホワイト化が進んできています。ですが、ホワイト化は必ずしもトラック運転手として働く人々にとっていい影響ばかりなのかと言いますと、そんなことはありません。
ホワイト化が運送業界に与える影響について考えていきましょう。
労働時間の短縮
トラック運転手といえば、労働時間が長いことで広く知られています。確かにひたすら長距離を運転する会社もありますが、最近は社会全体が労働時間短縮に大きく力を入れているので昔ほど長くなく、その辺の負担は減っているようです。
労働時間が短縮されればいいわけではない?
若い人や働きはじめの人が労働時間短縮と言われれば、嬉しい気持ちになると思いますが、ベテラン運転手や家族のいる方は労働時間が短縮されれば困ってしまうこともあるのです。
トラックドライバーには、1日に運転をしていい時間が明確に決められており、ホワイト化が進んでいる会社では少しでも時間をオーバーしてしまえばその日の運転を止められることになります。
そうなれば、あと30分で帰宅できるという距離でもトラックを運転することは業務になるので、その日は家に帰れずトラックの中で1日を過ごすことになります。
給料の減少
運送業界は「どれだけ荷物を多く運ぶか」が一番重要ですので、ドライバーの労働時間が短縮されるということは、荷物を運べる数は当然少なくなってしまいます。
もちろん、運ぶ品物にもよる場合はありますが、基本的にドライバーが動くことができなければ会社としての収益が増えることはありません。
会社としての収益が上がらなければ、ドライバーの給料も上がることはなく減少してしまいます。元々運送業界は給料がいいというこうとで入社している人も結構いるので、こう言ったホワイト化による給料の変化で、喜べないドライバーがいるのも事実です。
ホワイト化はデメリットばかりのようになってしまいましたが、デメリットだけでなくしっかりメリットもあります。まず大きなメリットとして、ドライバーの負担減少と事故率の低下でしょう。これら二つは非常に相関性のあることなのでかなり大きなメリットと言えるでしょう。
運送業のホワイト化が進むことによって、事故率も低下し社会全体がよくなっていくのです。まだまだ、これからも運送業は必ず必要となってきますので、ドライバー不足をなくすためにも私たちも協力していかなければなりません。