健康

運送ドライバーに陥りがちな生活習慣病とその対策

ドライバーの高齢化と人手不足の現状

運送業界ではドライバーの高齢化と人手不足が深刻な問題となっています。運輸労連のアンケート結果によれば、運転手の年齢割合で20~40代(59.6% -27ポイント)の減少と、50~60代(39.1% +2.7ポイント)で安心して長く働ける環境づくりが課題となっています。人手不足の問題は更に深刻で、国土交通省の試算では2027、28年で28万人のドライバー不足が悪化し、必要な運転者人数に対して25%の人手不足が生じるとされています。

少子高齢化社会で人手不足を解消するためには、団塊の世代の再雇用が増やすのが手っ取り早いのですが更に高齢化は加速します。

ドライバーの健康管理

運送業界に限らず高齢者には高血圧や糖尿病などの生活習慣病の有病率が増え、長時間の運転をするうえで危険になり得る合併症には気をつけましょう。
とくに、脳卒中(主に脳出血、くも膜下出血、脳梗塞)や心筋梗塞は注意が必要で、病気が原因となる事故の件数では、この2つの病気が全体の3分の2を占めています。さらに高血圧や高脂血症、糖尿病が合併することで事故のリスクが高くなっていきます。
これらの病気は、暴飲暴食や運動不足など生活習慣に起因するので、ドライバーの日ごろの健康管理は長く仕事を続けていくうえで大事な取り組みといえます。

生活習慣を見直しましょう

生活習慣病の予防には、健全な生活習慣を保つことが大切です。食生活の改善や運動を日々の生活に取り入れていきましょう。

食生活:1日30品目を目標にバランス良い摂取をこころがけましょう。また、急激な血糖値上昇をさけるために、野菜などを始めに食べることにしましょう。また、眠気防止や疲労回復のためにで飲用する缶コーヒーや栄養ドリンクには砂糖が多く含んでいる場合があります。できるだけ糖分ゼロのものを選択するよう心がけてください。また、栄養ドリンクは疲労回復するものではありません。
飲酒:けっして適量を超えず、週に2日はお酒を飲まない休肝日をつくりましょう。
喫煙:呼吸器障害を引き起こすだけでなく、高血圧や糖尿病、歯周病にも影響があります。
運動:ウォーキングやサイクリングなどの、程よい有酸素運動は生活習慣病の予防には一番効果的です。食後の休憩中に少しでも歩くと血糖値の急激な上昇を抑制することができます。

ウォーキング、大事なのは継続

日本生活習慣病予防協会では、体を動かすことを強く推奨しており「2本の足は2人の医者」という格言を紹介しています。また、長距離ドライバーの天敵である腰痛の対策に、ストレス解消は効果があると言われています。ウォーキングを続けることで心身共にリフレッシュを図り生活習慣を改善しましょう。「時間がない」という言い訳は通用しない時代になりつつあります。