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どうなってしまうの?学校の先生の世界は…

学校教師の多忙化が止まらない。20年前と比べると、教師の雑務が2倍に増えたと言われている。それにともない、学校に夜9時頃まで、残業のため居残るといったことが、当たり前になっている。「ブラック業界」となってしまった教育界の今とは。

■教員採用試験の倍率が年々低下
教員採用試験の倍率低下が止まらない。20年前は、3~5倍あった小学校教員採用試験の率だが、2018年の新潟県は、1.2倍となってしまった。各都道府県ともに、軒並み倍率が低下しており、教員の質の低下が懸念される事態に陥っている。

■教職課程受講学生数も減少傾向
以前は、大学で教職課程を受講し、教育実習で感動し、教員を目指す学生が多かった。教員採用試験に落ちても、何度もチャレンジする受験者が多かった。それだけ、教員という仕事は、魅力ある職業なのだ。
しかし、教育界のブラック化が叫ばれるようになってからは、教職課程を受講する学生の数が減っている。

■モンペの増加によって
そして、今、現場の教師が、一番頭を悩ませているのが「保護者対応」だ。モンスターペアレント、いわゆるモンペが、以前に比較して圧倒的に増えている。何か、子供に問題が起きると、学校にすぐに電話。
学校で何か不祥事が起きると、電話が殺到し、回線がパンクし、数日学校の電話がつながらないといったことが、よく起こる。

■保護者対応で疲弊する現場
その対応に疲弊し、うつ病などの精神疾患に倒れ、休職する教師も増えている。最高1年半の休職ができるが、その後退職の道を歩む教師もあとを絶たない。モンペの執拗なクレームに悩み、20年間の教師生活にピリオドを打った教師に話を聞いた。

■生徒の保護者と対立したことで
私立の進学校に勤務していたA教諭は、運動部の顧問も務めていた。生徒の練習方針をめぐり、保護者とトラブルになった。特に、大学を推薦で狙う生徒は、大会で好成績や好記録を修めない限り、大学から声がかからない。そのため、生徒より、保護者が熱心な学校も、しばしば見受けられる。

■精神疾患を発症してしまう
A教諭は、保護者と対立したことで、学校に度々乗り込まれて、うつ病を発症した。1年休職した後に、そのまま退職した。今は、工場で軽作業の仕事についているという。A教諭は当時を振り返り、「まさしく地獄だった」と語った。

■モンペの執拗な教師攻撃
モンペは、教育委員会に乗り込むなど、非常にしつこい。特に20代の若い女性教諭などは、一回りも年が離れた保護者に圧倒されてしまう。結果、病んでしまい、現場をしばらく離れることになる。このような現象が、全国各地で起きている。

■日本の教育界の未来とは
一方で、教師の性犯罪も毎週のように、全国のどこかで起きており、それが教育界の信頼失墜につながり、今現場で懸命に頑張っている教諭の足を引っ張っている。教育界に携わるすべての関係者が襟を正すこと、また、保護者が学校経営へ協力していく姿を見せること。
この2つが出来なければ、日本の教育界に未来はない。

 

著者紹介

@sutekinamiraie
@sutekinamiraie
『取材力』を武器に、そのファクトの本質は、何か?核心を伝えるべく、幅広く活動を展開。
現在、合計7社の記者・クリエイターとして活動中。
最も多く読まれたnote月間賞も受賞。