運送会社で最も使用頻度が高いトラックの一つとして「4トントラック」が挙げられます。ただ、この4トントラックについて、平ボディの長さや寸法、燃費などの情報をすべて正確に把握している方は少ないかと思います。ドライバーとして働く上で、4トントラックは相棒のようなものです。正しい情報を知っておいて損はありません。今回は4トントラックの基本情報を項目ごとにまとめていきます。
4トントラックの平ボディ長さ/寸法図
一般的な4トントラックの長さは、全長8mほどになります。乗用車の全長がおおむね4mほどなので、4トントラックは乗用車2台分の長さという認識で差支えありません。
横幅は約2m20cmほどで、乗用車の幅よりも60cmほど広くなります。乗用車の運転席と助手席の端に少しスペースがあるイメージです。
高さは2m40cmほどです。乗用車が入れる立体駐車場では4トントラックの高さに対応していないところが多いので、立体駐車場を使用する際は注意してください。
4トントラックの荷台部分を「平ボディ」と呼びます。平ボディの長さは約6m、幅が約2mとなります。平ボディの長さはトラックの全長の約3分の2を占めます。荷台の両側の端には、荷物がすべり落ちないよう「あおり」と呼ばれる装備がついています。あおりを荷台と垂直になる形でおいて、荷物の安全性を確保します。平ボディの幅は、このあおりの厚さを差し引いたものです。あおりの厚さは積載物の種類によって変わってきますが、中にはデザインを重視したあおりもあり、様々な種類があります。
4トントラックの燃費
4トントラックの燃費は、車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満でおよそ7.3~8.2km/Lとされています。ただし、この数値はあくまでも平均的なものであり、積載している貨物の種類やエンジンの調子、運転方法や道路の環境で燃費の数値は変わってきます。また、劣化によって排気量が増加したエンジンを使用すると当然のことながら燃費は悪くなります。急ブレーキや急発進も燃費が悪くなる要因になりますので、運転の際に注意してください。
上記で紹介した燃費の数値は国土交通省が発表している数値で、実際にトラックを路面で走らせて計測しているものではありません。国土交通省がシミュレーションして算出している数値になるので、「カタログ数値」と呼ばれています。カタログ数値よりも燃費が高くなるということはほとんどないので、上記数値が最大値と考えるようにしましょう。
4トントラックの排気量
4トントラックの排気量は平均して6000cc~8000ccほどです。通常の乗用車の排気量が2000cc以上なので、4トントラックは乗用車の3倍以上の排気量ということになります。ただし、この排気量の数値はあくまでも参考数値です。メーカーや車種、エンジンの種類などによって排気量は変わってきます。特に近年は環境に優しいエンジンの開発に力が入っており、同じサイズの4トントラックでも排気量に差がついているものも多いです。具体的な排気量を知りたい場合は、メーカーの仕様書を確認するようにしましょう。仕様書にはメーカーが車種をテストして算出した排気量が掲載されているので、参考になります。
排気量の大小で変わること
排気量の多少で変わるのは
- 加速の滑らかさ
- 車内の静かさ
- 燃費
- 税金
です。
排気量が多ければ、それだけエンジンにパワーが加わることを意味します。パワーが大きい分、加速が滑らかになるのです。
また、エンジンのパワーが大きいことで、少ない回転数でエンジンを回すことができます。これによってエンジンの音が静かになり、車内の静寂さが増します。
ただし、排気量が多いとその分「燃料を食う」ことになります。したがって「燃費が悪くなる」のです。加えて、排気量が多いトラックだと税金も高くなります。排気量が多ければよいとは一概に言えないのです。
4トントラックのドライバーになる上で、今回解説した情報を知っておいて損はありません。特に寸法やボディの長さは、運転する上でも役に立ってきます。右折、左折や駐車する際の目安としても利用できますよ。最近はメーカーによって様々な4トントラックを生産・販売するようになっています。車種ごとに燃費や排気量が異なってくるので、4トントラックを新規に購入・導入する際は仕様書を比較してみることをお勧めします。
可能であれば、実際に運転してみて、走り心地を確かめてみてください。エンジンの馬力は実際に運転してみないと分からないこともあるので、運転して確認しておくと後々後悔しませんよ。