八潮市で6月26日に出された給食を原因とする、児童・生徒など、3,453人が巻き込まれる大量食中毒が発生した。食中毒の本格的な季節を迎える上での注意点とは。
■医療機関からの通報で発覚
6月26日昼に給食として出されたメニューは、鶏の唐揚げ、ツナじゃが、海藻サラダ、ごはん、みそ汁。その後、6月 28 日(日)午前中に、八潮市内医療機関から草加保健所に、「八潮市内の複数小・中学校の児童生徒が、腹痛・下痢等の食中毒様症状を呈して受診している」との通報があり、 調査を開始した。
■大量の有症者が発生
調査対象者は、6,922 名 ( 八潮市内小中学校 15 校の児童生徒及び教員 )で、 腹痛や下痢などの有症者が、 3,453 名 ( 小学校 2,072 名、中学校 1,167 名、教員 214 名 )となっている。
■給食センターを3日間の営業停止処分に
①有症者 17 名中 12 名の便から病原大腸菌が検出されたこと。②有症者の主症状が、病原大腸菌によるものと一致したこと。③有症者の共通食が、原因施設で提供された食事に限定されること。 (エ) 有症者を診察した医師から、食中毒患者等届出票が提出されたこと。
以上のことから、給食の調理を行った協同組合東部給食センターを、3日間の営業停止処分とした。
草加保健所では営業者に対して、食中毒の再発防止を目的に、営業停止期間中、施設の消毒を 指導するとともに調理従事者への衛生教育等を行う。
■原因は海藻サラダの可能性
食中毒の原因は、今のところ、海藻サラダの可能性がある。海藻サラダに入っていた、乾燥わかめを、給食センターでは、水で戻していた。
病原大腸菌は、熱処理で死んでしまうため、火を通す、または、熱湯処理が有効だ。この給食センターでは、今後は、わかめについて、お湯で戻すことに変更する。
■しっかり加熱とよく洗う
これから、食中毒が本格化する季節を迎える。どのようなことに気をつければ良いのか。
大腸菌は健康な人や動物の腸管内に生息し、その多くは無害だが、人に下痢や腹痛といった症状を引き起こす種類も存在する。
このような胃腸炎症状や合併症を引き起こす大腸菌は、病原大腸菌(下痢原性大腸菌)と総称されている。 病原大腸菌による食中毒は、大腸菌に汚染された食品や井戸水を喫食することで発生し、喫食してか ら 12~72 時間後に下痢や腹痛といった症状を引き起こす。
したがって予防するためには、菌を「やっつける」ことが重要。
生野菜などはよく洗い、肉は中心部の赤みが無くなるまでしっかり加熱してから食べる。また、生肉を調理した後は手や調理器具をよく洗い、他の食品への汚染を防ぐことが、大事だ。
著者紹介
@sutekinamiraie
『取材力』を武器に、そのファクトの本質は、何か?核心を伝えるべく、幅広く活動を展開。
現在、合計7社の記者・クリエイターとして活動中。
最も多く読まれたnote月間賞も受賞。